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May 03, 2005

お寺の経済学

oteranokeizaigaku
お寺の経済学
中島 隆信 (著)
価格: ¥1,575 (税込)
単行本: 233 p ; サイズ(cm): 19
出版社: 東洋経済新報社 ; ISBN: 4492313451 ; (2005/02)


ビジネス経済誌にも多く取り上げられ、話題の本ということで気になっていた本です。
個人的にお寺と関係がある上に、ゴールデンウイークにお墓参りにいくこともあり、興味を持って読んでみました。

序章から、いきなり

コンビニエンスストアが全国に4万あるのに、お寺は約7万5000もある。坊さんは約30万、信者は6000万人。これは日本の全法人のおよそ三十分の一、全従業者の二〇〇分の一、そして全人口の半分に相当する数字である。
とあり、本当か?と突っ込みを入れつつも気になり読み進めてしまった。

著者はお寺とは関係がない経済学者ですが、歴史に始まって、檀家制度や葬式やお墓のこと、宗教法人の税制など宗教に関係する人には興味深いことが数多く、しかも分かりやすく解説されています。

私の周りにもいわゆる葬式仏教だけが仕事の住職が複数いることは確かです。
檀家参りは気を使って軽自動車に乗るものの、平日はベンツに乗って住職仲間とゴルフに言っている人も知っています。本書の第6章のタイトルは「お寺はタックスヘイブンか」ですが、タックスヘイブンという言葉を知っているかどうかは解りませんが、宗教法人という制度を”うまく”利用している住職もいることはいます。税務署が来た、どこそこの事務所に頼むといい、などはよく聞く話です。

会社では「論文のかけない研究員は存在価値がない」といわれますが、それと同じで「説教(法話)が出来ない坊主は役に立たない」と思います。いったいどれだけの住職がキリスト教の牧師さんと対等に話し合えるでしょうか?どれだけ多くの若者の前で話を出来るでしょうか?

最近は結婚式をあげるカップルが減少し、ホテルでも葬式をするところがあると聞きました。
住職の中にも下記のように考えている人がいます。

結婚式は二人でひとつ。しかも、ジミ婚だのしない人もいる。
一方、葬式は一人にひとつ。本人は簡単に、と頼んでも遺族はそうしない。
どう考えても葬式はおいしい。坊主丸儲けと言われるが、本当にそうだ。

本書では葬式や戒名、墓石などにまつわるモロモロの話も紹介されており、すべてが真実ではないと思いますが、ある意味寺院関係者には厳しい指摘もあります。
今後、少子高齢化、若者の間で宗教離れが進む中で、どうするべきか、日本におけるすべての住職に読んでいただきたいものです。宗教の世界なので、そうやすやすとは透明性がなくなるとは思いませんが、お寺の世界も徐々に厳しい淘汰の世界になり、世間の企業、サラリーマンと同じく、勝ち組、負け組に分かれると思います。21世紀におけるお寺の役割とは何なのでしょうか?

明日、お墓参りに行く予定ですが、いろいろとお寺の人に聞いてみようかな?

個人的には大変おもしろく読みましたが、葬式の値段など「お寺」の「経済」に興味を持つ人は結構いても、仏教経済学などの「お寺」と「経済」に興味を持つ人は少ないと思います。宗教も経済も社会や人間を幸福にするもののはずなので、なんとなく今の荒れた日本がよい方向に向かうようになればいいなと思いました。

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